漫画「スパイファミリー」の表紙を飾る名作椅子について調べてみた！価格はどのぐらい？買えるの？

2022年4月よりテレビアニメが放送中のSPY×FAMILIY（スパイファミリー）。タイトルの通りスパイアクションとホームコメディがミックスされた作品です。

この原作漫画の表紙で一際目を引くのが登場人物が座っている個性的な椅子。これらは全てモダンデザインの歴史に名を残す傑作デザイナーズチェアなんです。（→アニメに登場する名作家具についての解説はこちら）

そこで今回の記事ではスパイファミリーの表紙を飾る名作チェアとその価格について調べてみました！とはいえ、簡単に手が出せる価格ではないので「へー、そうなんだ」と軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

表紙×椅子 まとめ

まず、現在発売されている1~9巻までの表紙とそのモチーフになっているチェアをまとめました。

こうして並べてみると、キャラクターの個性とチェアのデザインの特徴がうまく合っているという印象です。硬派で男性的なチェアには男性が、柔らかくて女性的なチェアには女性が、ポップなチェアには子どもや犬のキャラクターが座っています。

構図やグレイッシュな背景にも統一感があり、非常にスタイリッシュな表紙デザインだと思います。

表紙	1巻	2巻	3巻	4巻	5巻	6巻	7巻	8巻	9巻
作品名	LC2	マシュマロチェア	ラ・シェーズ	ボールチェア	バルセロナチェア	ハートコーンチェア	ウィローチェア	イームズラウンジチェア	ココナッツチェア
デザイナー	ル・コルビュジエ	ジョージ・ネルソン	チャールズ& レイ・イームズ	エーロ・アールニオ	ミース・ファン・ デル・ローエ	ヴァーナー・ パントン	チャールズ・レニー・ マッキントッシュ	チャールズ& レイ・イームズ	ジョージ・ネルソン
発表年	1928年	1956年	1948年	1963年	1929年	1959年	1904年	1956年	1955年

第1巻 LC2（ル・コルビュジエ）

第1巻の表紙に登場するのが、建築家としても有名なル・コルビュジエの超名作チェアLC2。極限まで装飾を排したデザインを得意とするコルビュジエらしさが詰まったチェアです。

デザインに関心のない方でもオフィスやホテルの応接室などで目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

100年近く経過した今でも新鮮味さえ感じるシンプルかつ重厚なフォルムは、モダンなインテリアによく馴染むため世界中で今も愛用されています。装飾を排した直線的なデザインは非常に力強く硬派な印象です。

アニメではフォージャー家のリビングのソファとして登場するのでチェックしてみてください！（関連記事はこちら）

第2巻 マシュマロチェア（ジョージ・ネルソン）

第2巻の表紙に登場するのが、ミッドセンチュリーを代表するデザイナーのジョージ・ネルソンによるマシュマロチェア。置いてあるだけで部屋が華やかな雰囲気になり、人々を楽しい気持ちにさせてくれる遊び心溢れるチェアです。

スタイリッシュなオブジェとしての存在感とキュートかつポップなデザインが絶妙なバランスでミックスされた傑作です。

カラーバリエーションも豊富で単色だけではなく、カラフルなクッションの組み合わせが楽しめます。同じマシュマロチェアでも色によって全然雰囲気がかわってくるのが面白いです！

ちなみに、ジョージ・ネルソンは壁掛け時計のデザインでも有名です！興味のある方はこちらの記事もご覧ください。

第3巻 ラ・シェーズ（チャールズ&レイ・イームズ）

第3巻の表紙に登場するのが、多くの名作チェアを生み出したチャールズ&レイ・イームズ夫妻のラ・シェーズ。生前、レイ・イームズが最も気に入っていたチェアとして有名です。

第一印象はとてもシンプルですが、実は複雑で優美な曲面を持ち、ふわりと浮かぶ雲のような軽やかさがあります。

どんなインテリアにも自然と溶け込むのがイームズ夫妻のチェアに共通した魅力。控えめで女性的な上品さがあるラ・シェーズは、どんな空間にでも調和するチェアです。

第4巻 ボールチェア（エーロ・アールニオ）

第4巻の表紙に登場するのが、北欧フィンランドのデザイナーであるエーロ・アールニオのボールチェア。アールニオの名を一躍世界中に知らしめたデビュー作です。映画やアーティストのMVで見たことがある方もいるかもしれません。

宇宙的・近未来的なシルエットのインパクトは抜群。一目見ただけでボールチェアと分かる独創的なデザインです。

周囲の音を70%も遮断できる遮音性の高さも特徴で、包み込まれるような自分だけの居心地の良い空間を作り出してくれるチェアとなっています。

第5巻 バルセロナチェア（ミース・ファン・デル・ローエ）

第5巻の表紙に登場するのが、近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナチェア。1929年のバルセロナ万博の際に王族が休憩するための椅子としてデザインされたことからその名が付きました。

こちらもLC2と同様にモダンなオフィスやホテルでの定番家具として世界中で愛されているチェアです。

シンプルでありながらエレガントな佇まいは、ミースの理念である”Less is More”をそのまま体現していると言えます。大人のシックなインテリアに合わせたいチェアです！

第6巻 ハートコーンチェア（ヴァーナー・パントン）

第6巻の表紙に登場するのが、デンマーク出身のデザイナーであるヴァーナー・パントンのハートコーンチェア。巨大なハートの形をした斬新なシルエットのチェアです。

ハートがモチーフではありますが、可愛らしさよりは流麗でエレガントな印象の方が際立つデザイン。

ハートの下端一点のみで全体を支える構造により、大きなハートマークが宙に浮いているような錯覚を与えます。上品でありながら少しセクシーな雰囲気のあるハートコーンチェアは、洒落たホテルのラウンジなんかに似合いそうです。

第7巻 ウィローチェア（チャールズ・レニー・マッキントッシュ）

第7巻の表紙に登場するのが、スコットランド出身のデザイナーであるチャールズ・レニー・マッキントッシュのウィローチェア。グラスゴーの喫茶店のためにデザインされたそのチェアは、気品溢れる静謐な佇まいにより圧倒的な存在感を放ちます。

背面に見られる優雅な曲線美は、19世紀末から20世紀初頭にかけて流行したアール・ヌーヴォーの特色を色濃く反映しています。

今回紹介している他のチェアがいずれも1920年代以降のモダニズムの流れを汲むチェアなので、比べてみると時代ごとの装飾の雰囲気の違いが感じられて面白いです。

第8巻 イームズラウンジチェア（チャールズ＆レイ・イームズ）

第8巻の表紙に登場するのが、第3巻でも登場したチャールズ&レイ・イームズ夫妻のイームズラウンジチェア。アメリカミッドセンチュリーのデザインを代表するに相応しい風格のあるチェアです。

20世紀のデザインを象徴する作品と言っても過言ではない作品で、以降のデザインに与えた影響は計り知れません。

見るからに柔らかくて温かく包み込むようなフォルムは、使い込まれた一塁手のミットをイメージしたと言われています。単独でインテリアの主役になれる存在感を持っているので、シンプルな空間にゆとりをもって配置したいチェアです。

第9巻 ココナッツチェア（ジョージ・ネルソン）

第9巻の表紙に登場するのが、またもこの記事2回目の登場となるジョージ・ネルソンのココナッツチェア。ココナッツのひと欠片を連想させるシンプルでかわいい形状のチェアです。

どのような姿勢で座ってもくつろいだまま身動きが取れるように、浅くて広い座面のチェアになっています。写真では少し分かりづらいですが、意外と大きくて、しっかりと腰掛けられるサイズがあります。

すっきりしたデザインでありながら存在感があり、カラーバリエーションも豊富なココナッツチェアは、都会的で軽快な雰囲気のオフィスやラウンジのチェアとしてぴったりです。

まとめ

いかがでしたか？

スパイファミリーの表紙をテーマとして、モダンデザインの名作チェアについて取り上げてみました。人気漫画の表紙のモチーフになることで、20世紀のモダンデザインの魅力を多くの人に知ってもらえるといいなと思っています。

また、作品の裏にあるデザイナーのこだわりや情熱を知ることで、身の回りの何気ないデザインに目を向けるきっかけになれば嬉しいです！