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映画『レ・ミゼラブル』で英語を学ぶ【人間のあらゆる感情を描いた神視点の神作品】

こんな方におすすめ!
  • 映画を使って楽しく英語を学びたい
  • 映画「レ・ミゼラブル」の魅力を知りたい
  • フランス文学の傑作を心震える音楽とともに味わいたい方に
魂を揺さぶる人間讃歌
シリアス
コメディ
会話少なめ
会話多め
難解
お手軽
英語教材として
初心者
上級者

今回は紹介するのは、2012年公開のイギリス・アメリカ合作のミュージカル映画「レ・ミゼラブル」です。

フランス文学が原作のため難しく聞こえるかもしれませんが、あくまでもミュージカルということでストーリーは単純化されており、圧倒的な音楽の力を全身で感じることができるこれぞミュージカルといえる作品になっています。

僕自身、決してフランス文学に詳しいわけではないのですが、大学1年生の時に映画館で見た作品なので、個人的に非常に思い出深い作品です!

英語学習という意味でも、ミュージカル映画はメロディに合わせて歌いながら見れるので良い気分転換になりますよ。

みなさんがこの映画で楽しく英語を学ぶ参考になれば嬉しいです!

KEI

コメディ要素はないのですがラッセル・クロウが良い声すぎて笑いそうになる映画です。

英語ペンギン

ジャベール警部ハマり役だよね!

目次

映画「レ・ミゼラブル」とは

トム・フーパー監督作

監督を務めるのはイギリスの映画監督トム・フーパー

2010年公開の「英国王のスピーチ」でアカデミー作品賞および監督賞を受賞し、一躍名を挙げた映画監督です。

1972年生まれなので30代後半でのオスカー受賞なんですね。いやー、すごい!

レ・ミゼラブル」「英国王のスピーチ」ともに歴史的な物語を題材としながら、エンタメ作品としてもハイレベルなのが共通点。英語と世界史が好きな僕にとって相性の良い監督さんです。笑

KEI

歴史を学ぶうえでも映画はおすすめです!

英語ペンギン

もちろん映画的な脚色はあるけど、視覚的に学べるのは大きいよね。

作者ヴィクトル・ユーゴーと時代背景

「レ・ミゼラブル」はフランスの天才作家ヴィクトル・ユーゴーによって1862年に発表されました。

ロマン主義と呼ばれる個人の感性や自由を重んじる文芸運動を代表する作家です。

「レ・ミゼラブル」で描かれる世界にもそうした個人主義的な感覚が色濃く繁栄されています。

1800年代前半のフランスは、自由を求めた市民がフランス革命を起こし絶対王政を打倒するも、ナポレオンの帝政を経て再度王政が復活するなど、政治的に非常に不安定な時期でした。

1589-1792年
ブルボン朝絶対王政

ルイ14世の治世で最盛期を迎えるがその後は戦争と莫大な浪費により財政難に。市民は重税に苦しむ。

1792-1804年
第一共和政(フランス革命政権)

蜂起した市民がフランス革命により国王ルイ16世を処刑。共和政を樹立する。

1804-1814年
第一帝政(ナポレオン帝政)

革命により台頭したナポレオンが皇帝に就任し全権を握るが、諸外国の反発により失脚する。

1814-1830年
ブルボン朝復古王政

ブルボン朝が復活するが専制的な政治を行なったため、再び革命の機運が高まる。
ジャン・バルジャンが釈放されたのは1815年という設定。

1830-1848年
七月王政

ブルボン朝に不満を持つ上層市民が七月革命を起こし、新国王ルイ=フィリップを擁立。しかし、王政に不満を持つ市民も多く1832年には六月暴動が発生。
「レ・ミゼラブル」の後半はこの六月暴動が舞台

英語ペンギン

「レ・ミゼラブル」ってフランス革命の話なのかと思っちゃうけど、ちょっと時代が違うんだね。

KEI

六月暴動自体は世界史の教科書にのるような大きな事件ではないからね。「レ・ミゼラブル」がこの暴動を有名にしたって感じだね。

本作のあらすじ

舞台はフランス革命後1800年代前半のフランス。

1本のパンを盗んだ罪で19年間投獄されていたジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)が失意のなかで釈放される。

人間への不信感と憎しみの塊となっていたジャン・バルジャンは、清らかな心を持つミリエル司教との出会いにより改心し、「正しい人」として生きていくことを決意する。

8年後、マドレーヌ氏と名乗るようになったジャン・バルジャンは、ある街の市長として人々の尊敬を集めるようになっていた。

一方、マドレーヌの正体がジャン・バルジャンなのではないかと疑い、執拗な追跡を続けるのがジャベール警部(ラッセル・クロウ)

「正しい人」になろうとするジャン・バルジャンと「法の番人」ジャベール。交わることのない二つの正義がぶつかり合う。

その後、ジャン・バルジャンの数奇な運命は、フォンテーヌとコゼットという貧しい母娘との出会いを経て、革命後のフランスの激動の歴史に飲み込まれていく。

悲しみの時代を生きるためにもがく儚い人間の姿と、その先にある微かな希望と再生の光を描き出す、フランス文学史に残る最高傑作。

KEI

初めて見たとき、あまりにも色々な感情が溢れるので「神が書いたのかな?」って思いました!

英語ペンギン

人々の根源的な権利が今の時代にこそ見たい作品だね。

映画「レ・ミゼラブル」の魅力

魅力1:人間のあらゆる情緒が描かれるストーリー

「レ・ミゼラブル」は囚人だったジャン・バルジャンが「正しい人になる」という決意のもと必死に生き、最終的には聖人として生涯を終えるまでを描いた物語です。

その過程において見る者は、人がその生涯で感じうるあらゆる情緒に触れることになります。

憎しみと愛、絶望と希望、罪と救済、初恋と失恋、出会いと別れ、生と死。

全てを経験したジャン・バルジャンは、安心したような表情で天に召されていきます。

このシーンのカタルシスはたまらないですね。

これらの想いは人間にとって普遍的なものであるからこそ、「レ・ミゼラブル」は時代を超えて愛される作品なのだと思います。

KEI

ジャン・バルジャンが牢を出るのは46歳という設定です。人が変わるのに遅すぎるなんてことはないということですね。

魅力2:魂を揺さぶる音楽と役者陣の圧倒的声量

名作ミュージカルなので当然ではありますが、本当に名曲揃いです。

とにかく救いのない序盤、激しい戦闘が繰り広げられる中盤、戦いの後の虚しさと未来への希望が描かれる終盤。

それぞれの場面にぴったり合った音楽がストーリーを盛り上げていきます。

特に、革命前夜の心情をそれぞれの登場人物が歌い上げる「One Day More」から「Do You Hear The People Sing?」による開戦に至る流れは、何度見ても胸が熱くなります。

役者陣の圧倒的な歌唱力も文句なし。ちなみに、僕はラッセル・クロウの骨太で重厚な声が好きです!

魅力3:優雅で華やか、ではないパリの描写

今でこそ華やかな芸術の都としてのイメージが強いパリですが、世界史的に見ると多くの市民革命の舞台となり、かなり血生臭い歴史をもった街でもあります。

特に作中で描かれるフランス革命前後の時期は財政的にも困窮し、市民は貧しい暮らしを強いられました。

「レ・ミゼラブル」では市民の貧しい暮らしが描かれ、画面作りとしても全体的にダークなイメージになっています。

その一方で、そうした状況でも力強く生きようとする民衆の生命力も感じることができる描写になっていて、世界の教科書だけでは分からない庶民の生活を垣間見ることができる点も面白いです。

心震える!レ・ミゼラブル名曲トップ3

「レ・ミゼラブル」での会話はほとんどが音楽にのせて歌われます。

そのため、今回の僕のお気に入りの曲トップ3を紹介するとともに、その中から特に胸を打つフレーズを選んでみました。

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本作品のテーマ曲ともいえる「Do You Hear The People Sing?」はあえて外しています。

第3位「On My Own」〜叶わぬ恋と悲痛な胸の内〜

革命を志す青年マリウスに叶わぬ恋をするエポニーヌが歌い上げる「On My Own」

どれだけ相手のことを想っていても、その世界に自分は入ることができないという悲痛な心が表現されます。

この気持ち、個人的にはめっちゃ共感できるのですが、皆さんはいかがでしょうか。

I love him
But every day I’m learning
All my life
I’ve only been pretending
Without me
His world will go on turning
A world that’s full of happiness
That I have never known

彼のことが好きでたまらない
でも日ごとに思い知らされる
これまでだってずっと、私は彼にとって特別な人のふりをしていただけ
私がいなくたって
彼の世界は回り続けるし、世界は幸せにあふれている
その幸せに私は決して手が届かないのに

『レ・ミゼラブル』「On My Own」より

pretend:ふりをする

英語ペンギン

「自分なんていなくても相手の世界は回る」っていうところが切なすぎる!

第2位「Suddenly」〜ささやかな幸せの温かさを歌うメロディ〜

ともに孤独な人生を送ってきたジャン・バルジャンと少女コゼットが出会い、ともに暮らし始めるシーンで流れる曲。

当然降ってきたように手にした人の愛情に戸惑いながらも、コゼットを守るために生きていくことを誓うジャン・バルジャン。

自分を信頼してすやすやと眠るコゼットの寝顔を見ながら、ジャン・バルジャンは自分の中に込み上げる温かい感情を優しく歌います。

Suddenly I see
Suddenly it starts
When two anxious hearts
Beat as one
Yesterday I was alone
Today you walk beside me
Something still unclear
Something not yet here
Has begun

突然君は現れたんだ
それは不意に始まった
ふたつの不安な心がひとつに重なねよう
昨日まで独りぼっちだった私
今日はとなりに君がいる
まだはっきりとは見えないけど
何かが今始まったんだろう

『レ・ミゼラブル』「Suddenly」より

anxious:心配な、不安な

KEI

映画開始から1時間は本当に救いのないシーンが続くので、このジャン・バルジャンが初めて愛を手にするシーンは幸福な気持ちになれます。

第1位「One Day More」〜革命前夜に人は何を思う〜

革命決行を翌日に控えた登場人物たちの心境が畳み掛けるような怒涛の迫力で歌われる曲。

革命前夜という特殊な状況下での人々の切実な想いが交錯する名曲です。

それぞれにとっての革命
  • 混乱から逃れコゼットを守ろうとするジャン・バルジャン
  • 革命を阻止しようと暗躍するジャベール警部
  • 革命を志す信念とコゼットへの恋の間で揺れるマリウス
  • マリウスへ恋心をいだきながらも戦いに身を投じるエポニーヌ
  • 戦いに向かう仲間を熱く鼓舞するアンジョルラス
  • 革命に乗じて一儲けを企むテナルディエ夫妻

Tomorrow is the judgement day
Tomorrow we’ll discover
What our God in Heaven has in store!
One more dawn
One more day
One day more!

明日は裁きの日
明日我々は神の御心を知るだろう!
夜明けとともに
その日が来る
あと一日で!

『レ・ミゼラブル』「One Day More」より

dawn:夜明け

KEI

本当に名曲なので是非聴いてみて欲しいです!
この気持ちが高揚する感じがくせになります。

まとめ

いかがでしたか?
映画「レ・ミゼラブル」から何度聴いても心が震えるような名曲3選とそのフレーズを紹介しました。

それぞれ全くタイプの異なる3曲ですが、見る者の感情を揺さぶるような音楽であるのは共通していますね。

本作はミュージカルの名曲に乗せて音楽が学べることに加えて、教養としてのフランス文学にダイジェストで触れられるので、まだ見たことのない方は是非一度見てみてください!

KEI

最後まで読んでいただきありがとうございました!
いつか舞台も見に行ってみたいなぁと思っています。

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